『九条の大罪』感想|正義で割り切れない事件と倫理観を揺さぶる読後感

『九条の大罪』は、弁護士ものとして読み始めると、かなり早い段階で「ただの法廷ドラマではない」と分かる作品です。法律、裏社会、加害者と被害者、正しさと割り切れなさ。そのあたりが淡々と描かれていて、読み終わったあとに少し重さが残ります。

この記事では、ネタバレなしで『九条の大罪』を読んでよかったところをまとめます。

目次

ざっくり感想

一番印象に残ったのは、弁護士ものなのに裏社会の空気がかなり濃いところです。事件を解決してスカッとするというより、現実にありそうな嫌な重さや、簡単には割り切れない人間関係が残るタイプの作品でした。

主人公の九条先生も、熱血で正義を語るタイプではなく、淡々としているのにどこか怖い。感情を大きく出さないからこそ、何を考えているのか読めない感じがあって、そこが作品全体の緊張感につながっています。

『九条の大罪』はどんなマンガ?

『九条の大罪』は、真鍋昌平さんによる弁護士を題材にした社会派ドラマです。法廷や法律の話だけでなく、依頼人の背景、事件の周辺にある裏社会、そこで生きる人たちの空気まで描かれます。

読み味としてはかなり重めです。派手な展開で一気に盛り上げるというより、現実の延長線上にありそうな事件をじわじわ見せてくるタイプ。読んでいて気持ちよくなる作品ではないのに、続きが気になってしまう引力があります。

読んでよかったところ

弁護士ものなのに、裏社会の空気が濃い

弁護士が主人公の作品というと、法廷での逆転劇や正義感のある展開を想像しがちですが、『九条の大罪』はそこだけに寄っていません。法律の内側にいながら、かなり生々しい世界を扱っているのが特徴です。

依頼人も事件も一筋縄ではいかず、きれいに善悪で分けられないところが多いです。そのグレーな感じが、この作品の独特な読後感につながっています。

九条先生の淡々とした怖さ

九条先生は、分かりやすく熱い主人公ではありません。感情をむき出しにする場面が少なく、どこか距離を置いて物事を見ているような雰囲気があります。

ただ、その淡々とした感じが逆に怖い。優しいのか冷たいのか、味方なのかそうでないのか、読みながら少しずつ掴んでいく感覚があります。

現実味のある事件が重い

出てくる事件は、どこか現実にありそうな嫌な手触りがあります。ニュースの向こう側にありそうな話というか、フィクションなのに遠い世界の出来事として片付けにくい感じです。

だからこそ、読みながら倫理観が揺さぶられます。誰が悪いのか、何が正しいのかを簡単に決められない場面が多く、そこがこの作品の面白さでもあり、重さでもあります。

読後感まで含めてクセになる

真鍋昌平さんの作品らしく、読み終わったあとに少し沈むような感覚があります。爽快というより、苦さや重さが残るタイプです。

でも、その読後感がクセになります。明るい気分で読む作品ではないのに、次の巻を手に取りたくなる。空気の重さや絵柄も含めて、かなり印象に残るマンガでした。

こんな人におすすめ

  • 弁護士ものや社会派ドラマが好きな人
  • 裏社会の空気がある作品を読みたい人
  • きれいごとだけでは終わらない話が好きな人
  • 重めの読後感が残るマンガが好きな人
  • 『闇金ウシジマくん』のような現実味のある空気が好きな人

まとめ

『九条の大罪』は、弁護士ものとしての面白さに、裏社会の重さや現実味のある事件描写が重なった作品です。九条先生の淡々とした怖さ、倫理観を揺さぶる展開、読み終わったあとに残る重い空気が印象的でした。

スカッとする作品ではありませんが、だからこそ強く記憶に残ります。ネタバレなしで言うなら、重い作品が読めるタイミングでじっくり向き合いたいマンガです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次